財産分与とは、離婚する際に夫婦が築き上げてきた財産を公平に分配することです。 財産分与には
という3つの要素を含み得ますが、その中心は@の清算的要素です。
財産分与の対象となるのは、「夫婦で築き上げてきた財産」です。 預貯金、株、不動産、自動車など、結婚後に夫婦が協力して築いた財産であれば、名義の如何を問わず、財産分与の対象となります。 なお、結婚前に築いた財産や、結婚後に祖父母や親から贈与されたものや相続財産などは、特有財産と言い、財産分与の対象となりません。
原則としては、財産分与の割合を等分とする「2分の1ルール」が定着しています。 上にも述べましたように、必ずしも自分名義の財産だから自分のもの、という訳ではありません。 夫婦の一方が働いて得た収入で家計を支え、もう一方が家事に専念して生活を支えているという場合も見られます。 夫婦共働きの場合にも、家事や子育て、介護の必要性等によって勤務形態が制限されるということもあるでしょう。 こういったことを考慮すると、財産の名義が必ずしもその財産の形成への寄与の実態を表しているとは限りません。 そこで、夫婦が結婚後に築いた財産は実質的には共同で形成したものとして、「2分の1ルール」が原則として適用されているのです。 但し、2分の1と言っても、自宅不動産をどうするのか(どちらがいくらで引き取るのか、売却するのか。)といった問題は、話し合い等によって決めてゆくことになります。