調停離婚とは、夫婦どちらかが離婚に反対している場合や、離婚への合意はあるが慰謝料や財産分与、子供の親権など夫婦間の話し合いではまとめることができない場合に、家庭裁判所に離婚の調停を申し立てをして、調停で成立させる離婚のことです。
調停では、調停委員を通じて、話し合いを行うことになります。 日本では、離婚問題の場合はいきなり裁判で解決するのではなく、まず調停で解決することが義務づけられています(調停前置主義と言います)。
調停離婚の手順を簡単に記載すると下記のようになります。
原則として、相手方の住所地の家庭裁判所に、「夫婦関係調整調停申立書」を提出して申し立てます。 申し立ては、夫婦のどちらか一方のみで行うことができます。
調停申立書は簡単に記載できますが、親権者や、養育費、財産分与、慰謝料の金額の記入欄があり、希望金額の記載が必要です。
調停では、この申立書の金額をもとに話し合いが行われるため、失敗がないようにするためには、事前に弁護士に相談しておいた方が良いと思います。
申し立てが受理されると、1ヶ月〜1ヵ月半の間に調停期日が入り、家庭裁判所から当事者双方が呼び出されます。
調停期日にどうしても出頭できない場合は調停期日の数日前までに期日変更申請書を家庭裁判所に提出する必要があり、特別な理由なく、出頭しないと5万円以下の過料となります。
調停には必ず当事者本人が出頭しなければなりません。 弁護士を代理人として出頭してもらうことができますが、本人と弁護士が同時に出頭することが原則です。
どうしても本人が出頭できない場合には、弁護士のみの出頭でも認められていますが、第1回目調停には必ず本人が出頭したほうがよいでしょう。
1回目の調停では、調停の意味や手続について説明を受けます。その後、調停委員が交互に部屋に呼んで事情を聞いていきます。1回にかかる調停時間は、1〜2時間です。
調停委員は何回か調停を開いてみて、相手が一度も出頭しなかった場合は、不成立として調停を終わらせます。 相手が出頭する場合は、約1ヶ月間隔で行われ、通常半年程度で終了するケースが多いです。 最終調停では必ず当事者本人の出頭が求められ、弁護士等による代理人のみではできません。
数回の調停を行い、夫婦が合意に達すると調停調書が作成されます。 調停調書には離婚することに合意したこと、親権者やお金に関する事項が記載されます。
そして調停調書が作成された後には、不服を申し立てること、調停調書を取り下げることはできません。 作成する際に納得できるまで説明を受けましょう。
調停調書は調停調書作成日を含めて10日以内に調停を申し立てた側が、調停調書の謄本、戸籍謄本を添えて、離婚届を申立人の管轄もしくは夫婦の本籍地の市区町村役場へ提出します。
調停離婚では申し立て側の署名捺印があれば、離婚届けができます。 届出期間が過ぎた場合、離婚は無効になりませんが、3万円以下の過料となります。