【養育費】 再婚したため今後の養育費は不要と言っていた前妻から、養育費を請求された事案 (相談者は子どもの養育のため,一定額を支払う意思は有していた事案)
相談者:夫
■ 事案概要及び解決のポイント
離婚後,前妻は再婚したため,相談者に対し,「今後の養育費は不要である」旨通知しました(子どもと再婚相手は養子縁組をしています)。一方,本人も再婚し,再婚相手との間に子どもが生まれていました。 前妻がした「今後の養育費は不要である」旨の通知は,前妻が子どもの代理人として子どもの父親に対する扶養請求権を放棄する約束(養育費は不要と約束すること)と解釈した場合,母親が子どもの父親に対する扶養請求権を処分(放棄)することはできないため(民法881条),無効と解されます。 そこで,前妻がした通知を相談者と前妻間の養育費の分担に関する合意であると主張した上で,前妻の再婚相手が子どもと養子縁組をしているため,第一次的な扶養義務者であること,本人が再婚し,子どもが生まれ,扶養しなくてはならない人数が増加したことを主張していきました。その結果,不払養育費の一部を支払うことで和解することができました(相談者が希望していた金額で和解することができました)。