【調停離婚】 住宅ローン負担を理由に婚姻費用を減額した夫に対して直ちに調停を申し立てた事案
相談者:妻
■ 事案概要及び解決のポイント
本件事案の概要は,離婚を求めて別居を開始した夫が,当初,早期の離婚を目論んで夫自身の考える相当額以上の婚姻費用を支払っていたものの,依頼者に離婚意思がなく婚姻費用の支払いが長期化する可能性があることを知ると,依頼者と子供の住む自宅のローンを支払っていること等を理由として,婚姻費用を減額したというものです。 そこで,夫に対する婚姻費用分担調停を申立て,たとえ妻子の住む家の住宅ローンを夫が支払っていてもローン返済額自体を婚姻費用の支払いと同視することは出来ないこと,婚姻費用から控除し得るのは妻の収入に応じた統計上標準的な住居費用に止まること(結論として,夫が当初支払っていた金額が妥当な婚姻費用額でした。)を主張していきました。 夫が納得しなかったために調停では解決せず,審判手続に移行しましたが,裁判所は,ほぼこちら側の主張通りの判断を下しました。また,夫が婚姻費用を減額してから審判が下るまでに約半年が経過していましたが,夫が婚姻費用減額を通告してから直ちに調停を申し立てたので,減額当初からの不足分全額の支払いを受けることができました。